認識論と仏教
2017/03/27
認識論と仏教の論理は非常に近いものがあります。
よって、仏教を勉強しようとする人は、須らく認識論に注目すべきです。
つまり一切法の存在を我々の認識によって分類して行ったのが、倶舎論でいうところの五位七十五法であったり、唯識で教えるところの五位百法であったりするのです。
このことをまず理解してからかからないとよく理解できなくなりますね。
さて、認識論は認知論ともいいますが、仏教学の中にこの認知論があるわけですが、現在の学問で注目された認知論として「アフォーダンスの認知論」があります。[1]チベット仏教では、認識論はロリクといい、仏教勉強で重要な学問になっています。
これは、アメリカの知覚心理学者のジェームズ・ジェローム・ギブソンによって提唱された考え方です。
アフォーダンスとは、afford(与える、提供する)から作られた造語であり、物が何らかの属性を我々にアフォードしているということを言っているものです。
例えば、膝下くらいの大きさの石を見るを我々はそこに腰掛けられると思います。
これはその石がちょうど椅子のような属性をアフォードしているというのです。
このような認知論は、現在では「直感で理解する」ユーザインタフェースなどに応用されていますが、この考え方は実は原始仏教や自立論証派などに近いものがありますね。
一度興味のある方は勉強されるとよいかもしれません。これを勉強してから、仏教の勉強をする、もしくは逆でも良いですが、とても理解が深まると思います。
おすすめの本は、岩波科学ライブラリーのアフォーダンス-新しい認知の理論 (岩波科学ライブラリー (12))佐々木正人著です。
この本は概要説明であり分かりやすく、薄い本なのですぐに読めると思います。
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脚注
↑1 | チベット仏教では、認識論はロリクといい、仏教勉強で重要な学問になっています。 |