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四面楚歌の北朝鮮

      2017/03/27


 四面楚歌、今の北朝鮮の状況をいう言葉はこれでしょうか。

 金正男氏がVXガスで暗殺されたことについてニュースが沢山ありますね。ただ、大部分が憶測の域を超えていません。

 その中で、一つ気になるものがありました。概要だけ紹介します。

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アメリカの北朝鮮転覆計画が露見したことで金正男氏は殺された?

 まず、殺人の手口を検証すると、あまりに稚拙な計画であることから、北朝鮮が何か急かされる背景があったはずという考察から始まるものでした。その背景というのに、アメリカの金正恩の転覆計画というのがあるというのです。

 それは、トランプ政権に代わり北朝鮮に実力行使に出るというもので、空爆も辞さないという意志を日本に伝えてきたというもので、金正恩排除の後の北朝鮮をアメリカ、中国、ロシアの3ヵ国による信託統治にしようというアイデアでした。その信託統治をする際の頭として金正男を考えていたというのです。

 この計画が金正恩に漏れ伝えて、暗殺に至ったというものでした。

なかなか説得力のあるものでした。アメリカ・中国・ロシアの信託統治というのはまだまだ構想段階で、中国やロシアと全くネゴが出来ていないようなので、全くラフスケッチの状態だと言えるでしょう。

金正恩は大天才か?

 トランプは、金正恩について、どうしようもない馬鹿か大天才とどちらかと評価していましたが、今のところ前者での評価なのでしょうか。

 また、金正恩政権は核兵器が開発されるまでの命だという話があります。金正恩氏がどういう目的で核兵器を開発しているかハッキリ分かりませんが、これを交渉の手段としなかったら、確かにそういう結果になるように思います。アメリカは北朝鮮が核兵器を持つことを絶対に許さないと思うからです。ただ、中国のメンツをつぶす形での進撃を行うかどうかそれが少々疑問です。

中国も北朝鮮の敵 

 習近平国家主席も金正恩氏の北朝鮮について同盟国でありながら全く外交の対象にしていません。中国は資本主義国と近接しないという当初の目的があるものの、今や北朝鮮生贄論などが出ておりますね。これは国内の正常化のために北朝鮮を生贄にして安定を図るというものです。実は、中国にとって一番戦争しやすい国が北朝鮮だからです。

 北朝鮮は、中国の同盟国でありながら、その関係はかなり真逆です。今や、中国にとってコントロールが全く効かない状況だからです。張成沢氏が北朝鮮とのパイプ役でしたが、「国家転覆陰謀行為」行為を行ったとして処刑されて以来、中国とのパイプ役がなくなっています。金正恩氏は中国のいうことを全く聞きません。また、北朝鮮はアメリカへ核兵器を撃つと言っていますが、中国に打つこともできるので、中国はアメリカ同様に北朝鮮を脅威に思っているわけです。

 また、今回、ミサイル発射の制裁として、中国が初めて北朝鮮からの石炭の輸入を年内停止するということを通知しています。一応話し合いには応じるような姿勢のようですが、今後どのようになって行くか見ていく必要がありますね。

 北朝鮮の中国・ロシア・米国の信託統治という理想的な考え方は中国の考え次第かもしれません。

 アメリカは親ロの道に進むかに見えましたが、親ロシア派の大統領補佐官が辞任したことで、この道は一時中断のような状況のようです。キッシンジャーの指南で中国とはけんかをしない方針のようですが、親ロシアに舵を切ることで中国をけん制するという思惑はうまく行っていないようです。

THAAD配備をやめさせるように経済制裁をしている中国

 韓国はTHAADの配備をロッテのゴルフ場にすることを決めましたが、そのために、中国が韓国と経済的絶縁政策をより断行しています。ロッテへの露骨は嫌がらせや韓国の歌手や韓流ドラマの放映禁止、化粧品の輸入禁止など厳しい締め出しをしていますね。本来アメリカに対して行うべき敵対行為を何故韓国に実施しているのか少々理解に苦しみますし、同盟国の北朝鮮に原因があるわけですから、こちらの方に文句を言うべきなのですが、どうも理解に苦しむところはあります。

 日本もTHAAD配備計画がありますが、これが配備されると同様なことがされる可能性がありますね。こちらについては、案外中国は冷静な対処をしています。そこで上の韓国への嫌がらせが少し理解できません。

 思うに、このようなことをしているのは、この嫌がらせによって実際THAAD配備をやめさせることが出来ると考えているのではないかというところがあります。[1] … Continue reading韓国はどっぷり経済的に中国に依存しているため、このような対策をすることで政策を変更する可能性があると思うからやっているのでしょうか。

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脚注

1 日本はそういうことをすると逆効果です。以前、レアメタルの輸出禁止を実施した後、日本はレアメタルを使わないでもいいようにイノベーションをして乗り切った経緯があります。

 - 北朝鮮ニュース