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無常の殺鬼は時をえらばぬ、業道は恐ろしい、因果は必ず巡り来る

      2017/04/13


 表題は瑞劔先生の信心銘の中のお言葉です。

 地獄に堕ちるということが分からないなら、人を三人でも、四人でも殺してこい。自ずと知れるわ

 これは瑞劔先生のもともとはお父様[1] … Continue readingが仰ったお言葉のようです。

 死後のことが分からないとか、地獄が分からないとか、思うならば、本当に業道の恐ろしさを知るべきなのです。

 因果の道理は、私達凡夫やまた聖者でも中々ハッキリと分かるものではありません。仏教では、一切法を三種類に分類します。

 現前分、隠蔽分、甚隠蔽分になります。

  • 現前分は、現量でハッキリと存在が分かるものである。
  • 隠蔽分は、比量で存在が分かるものである。空性などは比量で理解出来るため、隠蔽分に入る。
  • 甚隠蔽分は、比量でもハッキリ分からないもので、これが因果の業報がある訳です。

 甚隠蔽分は、高い悟りを開いた菩薩でも分からないと言われており、仏様しか分からないものです。これは、お釈迦様の言葉を信じるしか術が無い訳です。仏教徒は、まずそういうことを知って、欺かない因果の法をよく理解して仏教を求めなければなりません。
 私の先生は次ぎの主旨の話しをよく仰いました。

御文章は、因果の道理がよく分かった人に説いたもので、そういう事が分からないで拝読しても頂けない

 また、

因果の道理は、相手に向かって説教する内容ではない。自分の反省のためのものであって、他人の業果を決めつけるものではない。

 とも仰いました。

 上記の理屈を思えば、他の人の業果の理由をこうだと断言することなど出来ないのが分かります。軽々しく因果の道理を振りかざして他人を判定すべきではありません。

 また、こんな話しもあります。

人間が尊いのは、考える力があるため、最高の善が出来ることにあります。

 動物に生まれたら、最高の善をなすなど、望むことも出来ません。
そのような理由で、もし犬などに生まれると中々人間に戻って来られないと言われています。


脚注

1 久太郎様と仰って妙好人の方でした。瑞剱先生に「他の妙好人の真似するな」と指導されたという話しが残っています。私の先生も妙好人伝は毒だから読むなと指導されました。

 - 浄土真宗