万里一空
宮本武蔵が長年の修行で到達した精神的境地で、著書の『五輪書』では
山水三千世界を万里一空に入れ、満天地とも攬る
と動揺せずに冷静であることが望ましいという心の持ちようを説いたそうです。
宮本武蔵の小説は以前読んだことがあるけれども、剣の達人などは、仏教の境地のような話しをよくされますね。万里一空などは、まるで空性を説いた仏教のようです。
そういえば、私の先生は、歴史が大変好きで特に大楠公さん(楠木正成)が大好きだったと聞いています。私など先生から話しを聞かなければ、大楠公という名前も聞いたことが無かったと思います。
この方はとても忠義に熱い方で、最後の決戦は決死であると分っていて、それで心が落ち着かず、最後禅の精神でやっと落ち着いて、死んで行かれたと聞きました。なんかうろ覚えなのでハッキリ思い出せないです。あと先生が好きだったものが、増鏡ですね。
この最初の出だしは仏教精神でもある訳ですが、よく話しをされました。
二月の中の五日は、鶴の林に薪尽きにし日なれば、彼の如来二伝の御形見の睦ましさに、嵯峨の清涼寺に詣でて、常在霊鷲山など心の内に唱へて、拝み奉る。
「鶴の林に薪尽きにし」この言葉を何度も仰っいました。これは沙羅双樹のことで、お釈迦様が亡くなられてあでやかであった色がまるで無くなり真っ白になられた意味だと聞いた覚えがあります。 それと嵯峨の清涼寺[1]三国伝来の釈迦像が安置されているというお寺ですにも行かれたとよく仰っておられました。
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脚注
↑1 | 三国伝来の釈迦像が安置されているというお寺です |