人物を固定的にとらえることは間違い
仏教では、固定的な自性はないと否定します。「無自性」とはそういうことです。
たとえば、あの人は悪いやつだということを私たちは思うと、それに固執して固定的に人を評価しますね。まあ、こんなことを書く私もどうしてもそういう気持ちから逃れられないですが、それは凡夫であれば致し方ないことですが、本当はそうではないのですね。ですから、人を評価する際には気を付けて言動をすべきかと思っています。
無自性であるということは素晴らしいことでそれが故に我々はいずれ仏になることができるのです。これは他の宗教では言わないことです。キリスト教では、我々が神になるというなことを教えません。仏教だけが凡夫が仏になると教えているのです。
ですから、
釈迦ももとは凡夫なり
われも悟れば仏なり
という気概で、禅宗などでは修行に励むのです。
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仏教学