中国の軍事改革について
中国メディアは空母艦隊「遼寧」が昨年12月24日までに、黄海や東シナ海で海上補給訓練のほか、艦載機「殲15」による離着艦や空中給油などの訓練を行ったと報道していますね。
「遼寧」については、ソ連の未完の空母を中国が買って完成させたものだと言われていて、性能に問題があるというように揶揄する声もありますが、
ここで分かることは、中国は海軍、空軍を中心とした軍事改革を行っているのです。
反腐敗改革
習近平国家主席は、軍の掌握と軍の腐敗を改善し、強い軍隊にすることを改革の目標にしています。軍の掌握という意味では、徐才厚、郭伯雄という軍に影響力の強い人物を汚職で失脚させています。その後も多くの将軍たちが腐敗を理由に逮捕されています。
軍事改革
230万人の解放軍の人員を2017年中に200万人まで減らす予定であり、このようなリストラを実施する中、7つあった軍区を5戦区に改めています。これは、今まで陸軍偏重の体制から、海軍空軍中心の区域編成にあたらめて戦って勝てる体制を作ったということです。
7軍区は、旧ソ連の軍管区制度にならって作られたもので、中国が国境から敵に侵略されることを想定して、7つの軍区に分けて軍事組織化したもので、軍事の執行のために強固な指揮権が割り当てられていました。そのため、利権の温床となり、軍閥化して腐敗の温床となっていたのです。
今は国境付近の侵略による戦争というよりも南シナ海や東シナ海などの海軍・空軍を中心とした紛争を解決することが何よりも重大な課題であると習近平国家主席は考えているということでしょう。
この戦区へ変更には利権を取り上げられるわけですから、抵抗する将軍も多くいたようです。その当時は、クーデーターが起きるのではという不安な情報が飛び交っていました。
恐ろしいほどの実行力
これをまとめていてしみじみ思いましたが、「遼寧」はカタパルトがしっかりできていないので戦闘機が離着陸できないなどのこき下ろし以上に、
このような改革を断行する力のある国家主席がある国を
日本はもう少し冷静に分析して対応を考えるべきではないでしょうか。
腐敗は当たり前の中国で、その壁を壊して新たな中国を作り出しているわけです。
このような改革には暗殺などのリスクは当然あるわけですから、
そういう意味では大変実行力のある人物だということが分かってきます。